誰もがエンターテイナーでNobody's Perfect / SHOW BOY 感想

SHOW BOY、観劇しました。

f:id:lly_wht:20230723160213j:image

 

SHOW BOYは私にとって大好きなんだけど何かと困難が立ちはだかる演目。初演はすんなり見れたけど、21年の再演は地方からの遠征で新幹線が大雨で運転中止になり、今年もチケットを取った日が公演中止となり… 今年も一瞬諦めかけたものの、ご縁があってチケットをお譲りいただき観劇できたのでした。

 

感想

隙の無い完璧なミュージカル。音楽が好きとか、ストーリーが好きとかそういう作品はあるけれど、SHOW BOYは全部が好き。そして万人におすすめできる。こういう作品を傑作と言うんだと思う。



初演との違い

▼初演の感想はこちら

note.com


初演は当て書きされたふぉ〜ゆ〜の物語と見ていたように思う。今回もふぉ〜ゆ〜だからこそできる作品という印象は変わらない。だけど、4人のエンターテイナーとしての実力や深みが増していて、ふぉ〜ゆ〜という意味づけがなくても舞台が成立していた。

 

一番刺さったシーンは「Nobody's Perfect」。大好きなナンバーなのでまた聞きたくて待ち侘びてた!その中の歌詞「Nobody's Perfect 完璧な人なんていないんだから」がね〜、本当に今の私を励ましてくれた。実は転職したばかりで、なんかうまくできない自分とかやるせなさに落ち込んでいて。そんな時に背中を押してくれたようで自然に涙が出てきてしまいました。
そして「みんなちょっとずつ不器用で鈍臭いんだってことが今ならわかる」という歌詞も好き。みんな悩み苦しみ、でもそれを受け入れ赦しながら前に進んでいる。しょこたんの支配人、キラキラしながらも人間味があってすごく好きでした。

あと深呼吸をして手を叩いてリセットの仕草もグッときたなあ。支配人と裏方の強さの現れのよう。私もいっぱいいっぱいになったらこの動作をやってリセットしようと、うまく生きていく術を教えてもらえた。

キャスト

裏方 / 福田悠太

福ちゃんがストーリーの根幹を支えてくれる安心感。最初に裏方の話を見ている分、各セクションで裏方が出てくると伏線回収がされていくのが気持ち良すぎる。マジシャンや主演ダンサーを無自覚にたぶらかしている天性の人たらしさが沼すぎる。
気持ちよさそうに踊る福ちゃんを見るの楽しすぎるね〜。体の可動域の広さとか雄々しさとか、これが見たかったんだ〜!ってシーンが詰め込まれていてありがとうの気持ち。

 

見習い / 辰巳雄大

歳を重ねているのに、かわいらしさが増してました。今回のキュート担当。不器用で少し自己肯定感が低いだけで、とっても良い子なんですこの子…!って感情移入してしまう。そんな彼が自信をつけていくのが王道主人公感あって好き。今回、生でマジックにチャレンジしているのに驚いた。まだまだ進化していくのか、辰巳くん。

 

ギャンブラー / 越岡裕貴

ちょっとセクシーさ増しすぎじゃないですか〜!? 初演よりも色気が出ていてとてもよかった。私が見た回は少女が森田みなもちゃんだったのですが、みなもちゃんの気の強さにタジタジしながらも絆されるギャンブラーが、新たな解釈一致で好き。最後のショーでだれよりもはっちゃけてるギャンブラーを見るのが愛おしい。文脈どうなってるのって思うけど、そんなのどうでも良いなと思ってしまうあの笑顔。

 

マフィア / 松崎雄介

相変わらずサイコーッ!!SHOWBOYはマツのマフィアがいないと成り立たないと再認識。下手したら駄々滑りのキャラなのに、ストーリーの中で成立させて愛される演技はさすが。マツのヤルシカナイネに人生を支えられている身としては、このセリフが出るたびに泣きたくなってしまう。本当にいい役だな。支配人アテレコシーンってアドリブなのかな?客席にアピールしてる表情が本当に生き生きしていて元気が出た。

 

支配人 / 中川翔子

はじめましてのしょこたん!現実を生きる等身大の支配人、という印象。ご本人もすごく頑張っているのがTwitterで伝わるんだけど、それが支配人のお芝居にも現れていた。大役を任され、不安もあるけど泥臭く真っ直ぐに弱きになる自分を鼓舞しながらひたむきに頑張る支配人に勇気をもらいました。今作で一番グッときたキャラクター!

 

 

他のキャストのみなさんもみんな芸達者で安心して観劇できた。アンサンブルさんも含めてパフォーマンスが満点だから、変な不安がなくストーリーに全集中できるのが本当にありがたい。観客として一番幸せなことだと思う。

 

最後に

ほんとに観に行って良かったー!生きていく上で指針となるような、心の拠り所となるような作品。ふぉ〜ゆ〜流の人生応援歌。
劇中歌の中で「30代のアイドル」という歌詞があるけれど、40、50そして80代くらいになっても演じ続けてほしいなあ、と願わずにはいられない。まずは地方公演行ってらっしゃい。そしてまた観劇できますように!