上質で味わい深い胸くそ悪さ / 夜曲〜ノクターン〜

 

夜曲〜ノクターン〜、観劇しました。

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1月に発表されてから、ずっと楽しみにしていた本作。キャスト変更はあったものの、感性に絶大な信頼を寄せている中屋敷さん演出のとつごが見られることに期待大でした。もちろん、いつか塚田くんバージョンの再演待ってます!
特に中屋敷さんと五関くんの組み合わせはほんとにほんとに大好きで… 数年前奇子に狂わされ、そして今も窖の奥底に心を囚われている身としては、待ち望んだタッグなのでした。

 

感想

マチソワ、2回観劇したのですが、正直1回目は「わからない… なんだったんだ…」が正直な感想。断片的に理解できるテーマや心情はあるのだけど、腑に落ちない感覚というか、結局何が起こって何が言いたかったんだ…とモヤモヤしてしまったのは事実。私の理解力不足もあるけれど、思えば、松竹座という劇場にエンタメを求めすぎていたのかもな、と。エンタメを見る気分で言ったら演劇ど真ん中を突きつけられて、少しめんくらってしまった部分もあるのかもしれない。
そんなモヤっとした気持ちでソワレを見たのですが、驚いたことに2回目がとっても面白かった!人物相関図がわかって頭が整理されたのと、演劇を読み解くんだという思考に切り替えられたからだと思う。今まで1回目と2回目の印象がまるっと変わるような体験をしてこなかったので、自分でもこんなこともあるんだなあと勉強になりました。

私は演劇を見るときに、一人の登場人物に感情移入をして追っていくことが多いのだけど、今作は登場人物を一線引いて観察していたように思う。
印象に残ったのはツトムの夢みがちな薄情さ。勝手に十五を心のヒーローにし、ヒーローに認められた自分もある種の主人公だとイキがる。一方で理想のヒーロー像とは違う動きを見た後は、それは解釈違いと熱が冷める。(令和のアイドルオタクと一緒!)結局自分の意思が無
く、いつも蚊帳の外でぽつんと孤独になってしまう他力本願な人柄は軽蔑してしまう。だけどこの純粋な浅ましさって誰しも持っている部分だと思うと、無下にはできないというか… 憎めないけど救いたくないというか… 
かと言って、700年前の人たちの融通の効かない真っ直ぐさも危うくて見ていられない。そういう時代だとはわかるけど、らしさとか立場ってそんなに大事にしなきゃいけないんですかねえ、と昔の時代設定を見るといつも思う。そうなんだけどさ。

だれも悪くないし、だれも正義のヒーローじゃない。結局誰一人として幸せになってないから胸くそ悪いんだけど、なぜかもう一回見たいし心の隅にいつも置いておきたくなるような、上質さと味わい深さがあると思いました。私は中屋敷さんの描くクソデカ感情と人間の嫌なところの表現が好きなんだと実感。

 

キャスト

抜粋ですみません!

ツトム / 五関晃一

五関くんの発声が好きだ〜。セリフとストーリーテラーの部分の声色の使い分けが見事でした。時たまあるここぞというセリフも、会場の奥までスパーンッと突き抜けていくので気持ちが良い。五関くんの舞台芝居、もっともっと見たい。
ツトム、初演ではもっと陰キャだったようで。五関くんのツトムは陰の部分もありつつ、持っているアイドル力が故に、「ほんとに物語の主人公になれちゃうかも!」という希望も見えるのが面白かったです。だからこそ、最後に蚊帳の外を実感して虚無の顔で惨劇を眺めているシーンとの対比が鮮やか。

 

十五 / 戸塚祥太

1週間で仕上げたとは思えない完成度。大変だっただろうけど、とても楽しいんだな〜とわかるエネルギッシュさでした。
十五、ハマり役だなあと思いました。目的のために手段を選ばず邁進するところ、戸塚くんにもあるんじゃないかなあと。でも結局情を捨てきれないところも戸塚くんらしい人間味を感じられて好きでした。塚田くんの十五はどうだったのかな。もっと冷酷なキャラクターになるような気がするな。
カーテンコール、戸塚五関でセンターを割って並んでいる姿が新鮮だった。組み合わせとしてはあまりない二人だけど、同じグループならではの空気感とかセリフのリズム感が感じられて面白かった。

 

 


サヨ / 兒玉遥

48グループど真ん中世代なので、はるっぴがいる!!と楽しみにしてました。ミステリアスで愛らしい謎の美少女そのもの。お芝居のイメージがあんまりなかったけど、お上手で驚いた。圧倒的、華。
私が見た回で、五関くんがマッチをばら撒いてしまうハプニングがあって。そのときに「なにやってんのよ、も〜!」と上手くセリフを繋ぎながら手早くマッチを回収して、本筋に支障が無いように戻していた姿が圧巻でした。あの瞬間、誰よりも頼りになる存在だった。

 


黒百合 / 河合雪之丞

今作の要。黒百合の圧倒的キャラクターで作品が成り立っていると言っても過言ではない。黒百合の姿は同じなのに、女役と男役を瞬時に演じ分ける技術に惚れ惚れしました。ふつうに見てしまっているけど、高度なことをやっていらっしゃることを忘れちゃいけない… 今作の真の主人公は黒百合だと思うくらい、登場人物みんなにクソデカ感情矢印を向け、向けられしていたのが印象的。一番好きなキャラクター。

 

 

余談〜心斎橋ぶらり旅〜

久しぶりに大阪に遠征したので、その思い出も載せちゃう。ぬいとアクスタを忘れてくる大失態をおかしたものの、心斎橋ぶらりして楽しみました。

 

夜パフェ専門店 パフェテリア パル

ホテルの近くにあり、偶然見つけた夜パフェ屋さん。夜ご飯はちょい飲みにして、芸術作品を楽しみました。20時過ぎに伺ったら15組待ちくらいだったけど、整理券とったらその場を離れても良いシステムだったのでホテルでのんびりして待ってた。入店まで1時間もかからなかったかな?並んでるわりには開店が早かった。

 

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今回注文したのは感謝のガーベラとスコッチウイスキーハイボール。木苺とかフランボワーズの甘酸っぱさがおいしかった!特別甘党でもないし、生クリームがあんまり得意ではないので、こういう創作系のパフェが嬉しい。

 

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純喫茶アメリカン

友達と「モーニングどこいく?」の会話からインスタ検索して行ってみた喫茶店。行ってから星がモチーフだと知りました… 
10時15分ごろに行ったらギリギリ1巡目で入店できてラッキー。わりと提供もゆっくりなので時間に余裕のない人は厳しいかも。

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紅茶とサンドイッチ、ホットケーキを注文。ホットケーキの素朴な甘さがじんわり染みた。純喫茶ならではの重厚感や、席どうしの距離の近さがよかった。ブームだからというわけではないけれど、純喫茶巡りしたいなあと思わせる素敵な空間でした。

 

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551HORAI 心斎橋大丸店
関西に来たらやっぱりこれだよね〜!ってことで551の豚まん。焼きそばも食べたかったけどお腹いっぱいで断念… 最近何度か関西に来ていたものの、タイミングが合わずに食べられていなかったので念願の、でした。もちもちふかふかの生地がおいしすぎる〜〜 

 

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演目も満足、観光も満足の充実した1泊2日大阪遠征でした! とつご、素敵な機会を作ってくれてありがとう〜〜

スパミュを観ると心が豊かに / ミュージカルSPY×FAMILY

ミュージカルSPY×FAMILY、観劇しました。

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こちらの配役。

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チケットを取るまで

普段アニメを全く見ないので(鬼滅の刃でさえも未履修)ミュージカルになると発表があったときは、正直興味がなく…「 東宝、最近2.5次元ミュージカルに力入れてるな〜」とか、「岡宮くんまた帝劇に出るんだ売れっ子だな〜」と漠然と見ていました。
おっと思ったのはFNS歌謡祭。A.B.C-Zが出るので見ていたらアーニャ役が発表され、劇中のナンバーを何曲か披露したのを見たとき。森崎ウィンさんと唯月ゆうかちゃんの安定感もさることながら、アーニャ役の増田梨沙ちゃんの実力の高さにとにかく心を奪われたのでした。そして音楽がとても好み!そこで興味が出て、アニメを一気見。アーニャのかわいさに癒される限界OLが爆誕したのでした。そしてダメ押しの劇場限定のアーニャイラストグッズ!かわいすぎる!これは行かねば!と気持ちが固まり、なんとかチケットをとって帝劇へ向かった。

 

全体の感想

期待値マックスで劇場入りしたのですが、ほんとにもう最高に楽しかった!個人的に舞台の良し悪し、自分と合う合わないって冒頭5分でわかると思っていて。ここでハマらないと2時間苦痛なのですが、冒頭5分ですでに楽しい!期待値の上の上を行く、エンターテインメントが詰まった最高のミュージカルでした。
どの曲キャッチーで耳に残って楽しい。アンサンブルさんのレベルが軒並み高くて物語に入り込める。基本的には役者を信じて生身で見せているけど、たまに出てくる映像の演出がピリッと効いて飽きない。(G2さんと言えば映像を使った演出のイメージ。)セットが豪華で、移り変わりも多くて帝劇のスペックフル活用で上がる。
そしてなによりもシーンの切り取り方が絶妙!どこかのインタビューでG2さんが「基本的に1話完結の原作を3時間の流れにまとめるのが難しかった」とお話しされていた。その苦悩を感じさせないほどに滑らかなストーリー構成。原作ファンが見たいシーンは残しつつ、それらがぶつ切りにならないようにまとめられていてずっと楽しかった。一方でフィオナのシーンまでいれなくてもよかったんじゃないかな、というところもある。二幕後半まで出てこないし、正直フィオナよりもお城貸切のシーンをもっとやってほしかったなと思う。まあ、ユーリと対になる存在としての投入だったのかな、となんとなく意図は掴める。なんて言ってますけど、満足度はすごく高い。

 

東宝が作る2.5次元ミュージカルの意味

キングダムしかり、スパイファミリーしかり、いわゆる2.5次元をミュージカルが立て続けに帝国劇場で上演されている。正直、「東宝までも2.5をやるのか…」「若手俳優中心の2.5なら帝劇じゃなくてもいいのでは?」と思っていた節がある。2.5なら他の会場でいくらでもやれるだろうし、帝劇は帝劇の格式が揺るがないように本気のグランドミュージカルが中心のラインアップでもいいのになあと、若干マイナスな印象を持っていた。だけど、その思いを改めました。というのも、今回の客層を見たから。老若男女、カップル、親子連れ、アイドルオタク、ミュージカルオタク、様々な年代の人が観劇に訪れていた。それが女性9.5割の観劇の世界で生きてきた私にはとても印象的で。特に小さい子供をよく見たんだけど、どの子もお行儀よくミュージカルを楽しんでいた。私の後ろの席に座っていた小学校低学年くらいの女の子は終演後「楽しかった!」とニコニコしながらお母さんに感想を話していたのがとても微笑ましくて。幼いころに上質な演劇体験ができてよかったね、という気持ちと恵まれた環境にいるこの子達がとても羨ましく思った。
いつもは閉鎖的な傾向が強い観劇という趣味だけど、東宝という力を持ったブランドが本気で2.5次元ミュージカルを上演することで、観劇が大衆向けになっていた。演劇業界の発展のためには絶対的に新規顧客の獲得が必要。その中で大きな役割をこの作品は果たしていると大真面目に思ったのでした。

 

キャスト

アーニャ・フォージャー / 増田梨沙

圧巻でした!アーニャ、実在した!!!
間違いなく今作のMVP。歌も踊りも演技も、どれもがハイレベル。幼いけれど、プロ。堂々とした立ち姿に感動しました。実力で帝国劇場に立っている。客席のみんな、アーニャにメロメロなのが伝わってきた。カーテンコールの最後に舞台後方から走ってセンターに向かうところで、どのキャストよりも大きな拍手が送られた。それを見た時の笑顔がかわいくてかわいくて。勝手に親の気持ちになって泣きそうになってしまった。これからどんな女優さんになるんだろう。楽しみすぎるね。

 

ロイド・フォージャー /  森崎ウィン

ロイドさん出ずっぱりで、主演かつストーリーテラーかつボケかつツッコミみたいな忙しい役。ロイドさんがこけると全体のクオリティも下がると思うんだけど、森崎さんのロイドさんかっこよすぎました!歌もお上手でセリフも聞き取りやすくてノンストレス!ダンスもアクションもしなやかで、見応えありました。グランドミュージカル向きですね。今後もどこかでお会いできそうで楽しみ。

 

ヨル・フォージャー / 佐々木美玲

失礼ながら日向坂46所属だと存じ上げず…  ミュージカル初挑戦とは思えないほど堂々として、かわいさとピュアさを兼ね備えた素敵なヨルさんを演じられてました。セリフの言い回しがヨルそのもので、感動。一方で歌は伸びしろあるなあと思いました。周りが手だれの役者ばかりなので経験の差が見えてしまうなあと思いつつ、客席後方までスパーンッと届く声質はすごく素敵。ミュージカル向いてると思うので、これからもがんばれ〜!とエールを送りたいです。

 

ユーリ・ブライア / 岡宮来夢

やっっっと会えました岡宮くん!岡宮くん、今後日本を代表する俳優になると勝手に思っていて、彼が若い頃に帝劇で見たんだぞ!っていうのがいつか語り草になるとワクワク。まずは歌!低音の響きが圧巻で、心地よかった。歌えるって武器だなあ。そしてダンス。秘密警察の群舞に目を奪われました。刀ミュを見ててクセなくしなやかに踊るなあと思っていたのだけど、しなやかさにプラスしてキレが増し増しでテンション上がった。運動神経の高さを見せつけられた。あとはお家訪問シーン。アニメでも大好きなシーン。良い声を駆使して姉さん愛を爆発させるのはずるい!振り切ってて面白すぎた!劇場中ドッカンドッカン笑いが起きてました。歌もダンスも芝居も上手くて、その上笑いも取れちゃう。逸材だ。

 

シルヴィア・シャーウッド / 朝夏まなと

ダントツで本物でした。終始かっこよくて、シルヴィアさんを好きにならざるを得ない… スーパー朝夏まなとタイムなるタグもあるように、美脚で歌い踊るフルメタルレディ、圧倒的主役。ミュージカル見た!!っていう満足感の半分はシルヴィアさんだと思う。ほんとにかっこよかった…

 

 

今回はこのキャストだったけど、ダブルキャストもアーニャのトリプルキャストも気になる。配信のお知らせをいまかいまかと待っている。どこかで見られますように!

 

 

 

 

 

 

 

ここは美しい地獄 / 舞台刀剣乱舞 禺伝 矛盾源氏物語 感想 

舞台刀剣乱舞 禺伝 矛盾源氏物語、東京で1回、そして配信で観劇しました。

 

 

私にとって初めての生刀ステ。そして、オールフィメールというこれまでに無いキャスティング。観劇前からとても楽しみにしていました。その期待を裏切らない、オールフィメールだから成り立つ雅やかな世界観に心震えました。

 

オールフィメールでの刀ステ

発表時から賛否両論あったキャスティング。観劇して、これはオールフィメールだからこそ成立した舞台だと感動した。意図がしっかり伝わってきた。

平安時代の価値観といえども「女は男のための道具」「学のある女ははしたない」と、女性を蔑ろにするセリフが多々出てくる。フィクションだし、平安時代だし、と頭ではわかっているけど、女として生きている者としてやっぱり気持ちがいいものではない。(しかもこの感覚って現代でも身に覚えがあるなあ…なんてもやもや)そしてこのセリフを男性の役者が言うって、やっぱりセリフであってもムカつくじゃん… 男と女の社会的な差を見せつけられるというか… でも女性が演じることでセリフもマイルドになって、フィクションとして受け入れられた。観客の9割が女性という世界の中で、こちら側にすごく配慮してくれたのかな、とも思う。 
あと光源氏の女たぶらかしロリコンクソっぷりも女性が演じることで許せた(気がする。)色恋の部分も生々しすぎず、ひたすら美しい世界として認識できたのがよかった。

女性ならではの十二単で舞い踊る雅やかな世界に圧倒された。色とりどりの袖の広がりや、裾がなびく姿にとにかくときめいた。殺陣も男性に比べたらスピードや迫力は落ちる。だけど女性ならではのしなやかを感じられたり、抑え目のスピードだからこそ所作がきれいに見えたり。これはこれでとても好き。そして刀剣男士!一人一人はのちほど語るとして、完成度高かった。宝塚で経験を積まれた猛者のみなさんだからこそ、魅せ方を熟知されていて、そういう意味ではいわゆる若手俳優が演じるのを見るより安心感があった。表情管理とキメの所作が完璧で、かっこよさが保証されている。刀剣男士を演じるのに性別は関係ない。ただ一つマイナスをあげるとしたら、声かなあ。みなさんキャラに寄せてはいるんだけど、声だけでキャラを判別できないことが多くて、そこが残念だったかなあ。とはいえ、そう思ったのも最初だけで、後半は耳も馴染んできて気にならなくなった。

 

ストーリー

難しかった!いつもだけど!劇中に説明してくれるので理解はできたけど、源氏物語を先に履修しておけばもっと楽しめたんだろうな、と思うことが多々あった。
考察とかできないので、薄い感想にはなってしまうのだけど、物語と歴史の関係をこうやって描くんだと興味深かった。歴史ってhi-storyだから、ある意味で物語なんだと何かで聞いたことがあるけど、改めて歴史ってなんなんだろうな、と。そして刀ステでは物語がキーワードになるけど、ますます物語が何かわからなくなった… (これが円環…) 


そして、物語を創作する人と、消費する人の違いをありありと感じた。私は消費する側なので、創作する人の気持ちは100パーセント理解できない。だけど、少しわかった気がする。
歴史改変するのってだいたいクソデカ感情を持った人だけど、今回も例に漏れず。でもちょっと光源氏、というか一読者の彼の気持ちがわかっちゃうんだよな〜。自分を幸せにしてくれた人が地獄に落ちるなんて嫌だ→作者もそう思っているはずだ→自分が幸せにしてやらなきゃってムーブはとても理解できる。でもそれって自分のエゴだし、暴走してはいけない、と自戒を込めて胸にしまったのでした。一方で、こんなクソデカ感情迷惑男に対して懐疑心を持ちつつも、思ってくれる気持ちを無碍にできないと葛藤する創作者の気持ちも伝わってきて。いつの時代も、オタクって難しいなあと思いました。このあたり、末満さんの苦悩も混ざってるのかな、と思ったりして。

 

最後、大倶利伽羅が「俺たちの戦いが物語であったらどうする」と問い、歌仙が「そうであったとしても、その物語に心を寄せてくれる人がいるはずだ。その心に報いたい」と答える。こんなことを刀剣男士に言わせるのか!という驚き。(だってこれは物語…)でもこれって我々観客に向けての最大限の愛なんだろうなとも思う。それを美しい地獄と表現するのがもう痺れた… 全編通してぐちゃぐちゃにされた感情を、キャストと観客がわかちあえる。なんて雅で苦しいことか。 終わり方が綺麗すぎて、ため息。これからもこの美しい地獄に浸っていたい。

 

演出

布を使った場面転換が素晴らしかった!物語に覆われている、という世界観をこんな形で表現するんだ、って感動。長い裾を踏まないようにこの布に出入りするの、役者さん大変だろうな。私が観劇した回、どこかの場面で袖に回収する際に舞台の階段かな?に引っかかっちゃって、黒子さんがあたふたしてて。大丈夫かなと見ていたら、その袖から小少将の君が裾をたくし上げてぴょんと飛び跳ねて登場したのが、キャラクターにあっててかわいくて! ハプニングだったけれど、良いアドリブでした。

 

キャスト

歌仙兼定 / 七海ひろきさん

ガラシャ様からの転生、お疲れ様でした!綺伝からのバトンをしっかり受け継いでらっしゃいました。和田歌仙を思わせる殺陣のパワープレイもありつつ、七海歌仙らしいしなやかさが感じられた。和田歌仙より人付き合い上手くて、気遣いができる歌仙。なにより優しい。空蝉に物語を破綻させるために望まないことをさせたくなくてダメだ〜!ってなるところも、若紫の代わりに光源氏にとどめをさすところも、優しさと強さが感じられて好きでした。(ガラシャ様の影響を受けてるのかな)私のゲームでの初期刀が歌仙なこともあって、特別に思い入れのあるキャラクター。綺伝に続き、雅に活躍しててとても嬉しい。
七海さん、刀ステの世界観をとても大切にしてくださっててありがたい。賛否両論あるのをわかって、それでもなお観客に対して寄り添ってくださる姿勢に感服。大千秋楽カーテンコールの「これで物語を閉じます。パタン。」は流石にかわいすぎました…お茶目。

 

倶利伽羅 / 彩凪翔さん

か、かっこいい〜!!加羅ちゃんはいつだってかっこいいけど、キメを覚えた加羅ちゃんは無敵。危ない。なのに馴れ合い多めでかわいい。歌仙ともなんだかんだ適材適所で上手くやってていいコンビだなと思いました。思慮深い歌仙と武闘派の大倶利伽羅の対比が好き。光源氏in大倶利伽羅はさすがに笑っちゃった。よりによって… 大倶利伽羅が正気に戻ったとき、プレイボーイだった自分を恥じる様子が想像できる。(それ見ていじり倒す鶴丸ください。)

 

一文字則宗 / 綾凰華さん
本作一番のときめき泥棒。とにかく好きでした… 則宗、そもそも好きなキャラクターなのに完璧に顕現されてて…もう… 則宗ってこれまでメディアミックスに登場していなくて、動くモーションを見るのが初めてなはずなのに、ずっと見てきたかのような再現度。立ち方、座り方、喋り方、扇子の使い方、殺陣。どれもが完成度高くてずっと目で追ってしまいました… 博識で、女性に対して気遣いが出来て、流し目がセクシーなのに、交戦的で、戦い終わった後にニカっと笑われたらそりゃ好きになるって… 正直メロメロです。心鷲掴みにされました。
あと逸話は持つけど現存はしていない則宗がこの任務に当たっているのが切なくて。歴史か物語かでいうと、則宗って物語寄りの刀なので、いろいろ思うところがあったんだろうなあと。今回見どころが多くて、一文字則宗推しとしてはこれ以上ないくらいのご褒美でした。
綾凰華さん、カーテンコールの挨拶からとても聡明な方なんだなと。真摯に向き合う姿が好きでした。

 

山頂毛 / 麻央侑希さん
足5キロあった。と思うくらい、とにかく足が長くてスタイル抜群。かっこよくてダンディなお頭。南泉を嗜める口ぶりがもうトップのそれ。則宗と背中合わせで戦う場面は痺れた!!則宗と山頂毛の包容力のある二振りが、女性たちの気持ちに寄り添ったからこそ、源氏物語は破綻したんだろうなと思う。

 

姫鶴一文字 / 澄輝さやとさん
頼れるギャル姉御…!!気だるげな色気が漂ってくる。女性ということを一番活かした殺陣が素敵でした。くるくる回ってターン、からの容赦ない突きがまさに姫鶴! 歌仙のことを「かー↑ちゃん」って呼ぶんだ、って衝撃。

南泉一文字 / 汐月しゅうさん
本作のツッコミ役、そして観客との架け橋。南泉くんがいろいろツッコんでくれたおかげで情緒が保たれたし、源氏物語を理解できた。ありがとう。一文字一家と一緒にいる南泉は部下感が強くてかあいい。カーテンコールの汐月さん、ガチ審神者なのが伝わってきてとってもおもしれぇ女だなと思いました。梅津くんと同じ匂いを感じる。

光源氏 / 瀬戸かずやさん
圧倒的光源氏の説得力!!!光源氏マジでクソじゃんなんでこんな男好きなんだよみんな…って思うけど、瀬戸さんの圧倒的オーラと顔と口説き方で好きになってしまう気持ちがわかる。(会社の後輩が瀬戸さんは国民の彼氏なんで、みたいなこと言ってて納得した。)と思ったら冴えないモブも演じられて、オーラのスイッチのオンオフがすごい。

歴史上のキャストのみなさん
みーんな強くて綺麗で大好き!紫式部の聡明さも、六条御息所の熾烈さも、小少将の君のおてんばな感じも、ぜーんぶ好き。特に梅田彩佳ちゃんの演技が大好きで。熾烈さと穏やかさの二面が感じられて満足。梅ちゃんの声は劇場にスパーンッと響いてかっこいい。
そして、アンサンブルのみなさんもすごかった!時間遡行軍も全員女性!?と目を疑ってしまう。

 

 

最後に

結局三日月宗近ってなにー!山姥切国広どこほっつき歩いてるの!につきる。あの本丸と三日月宗近がどんな運命を背負っているのか、今後の刀ステがますます楽しみになった。いやほんと、刀ステ完結するまで死ねない。次は山姥切単独行。いよいよ物語の核心に迫っていくと思うと楽しみ。
そしてまたいつかスピンオフでもいいから、このオールフィメールの美しい地獄を見たいなあと思うのでした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2022年のお気に入り 〜ビューティー編〜

2022年のお気に入りのコスメたち。

今年はお値段も色味もちょっと冒険して、いろいろ試してみてました!

 

 

KANEBO / ミラノコレクション フェースアップパウダー2022

お高めフェイスパウダー! お値段を裏切らない上質な粉質。粒子が細くて肌にすごく密着する気がする。マスクしたり汗かいたりしても全然崩れない。すごく自然に綺麗に仕上げてくれる仕事人。コスメ独特の変に甘い香りとかもしないので使い勝手が良い。そしてなんといっても付属のパフがフワッフワで、幸せ。あと2022年は紫がメインのキラキラパッケージで、紫担として外せなかった… 
今年はエレガンスのラプードルも買ったけど、私の肌にはこっちの方が合ってたかな。

 

www.cosme.net

 

 

KATE / リップモンスター  ダークフィグ&地底探索

やっっっっと巡り会えたリップモンスター。どのお店を見てもいつもなくて、都市伝説かと思ってたら近くのドラッグストアでダークフィグを偶然発見して即購入。地底探索はアマゾンで安くなってたタイミングで買いました。評判通り、するするぬれるのに全然落ちなくてとっても優秀。ダークフィグは青みが入ってるけど、イエベ秋でも使える色。上品な色味で職場でつけることが多い。地底探索はTHEイエベ秋の濃いめの発色。私が好きな強めの色味で顔が決まる。これは売れるわ〜と実感しました。ウェブ限定カラーは割と正規の値段で手に入ることもあるので、気になってる人は試して欲しい!

www.nomorerules.net

 

ボビィブラウン / リュクス アイシャドウ ヒートレイ

単色アイシャドウに5,000円かけるなんて…と震えながら購入した思い出の品。でもほんとに買って良かった!!今年のメイクはこれ無しじゃ成立しなかった!
とにかくお上品な艶感。肌に乗せると濡れたような輝きというか、主張しすぎないのにしっかり煌めいてくれる大人のキラキラ。これを涙袋に入れるとほんとにかわいい。職場もプライベートもずっと使ってます。今年のベスコス。

www.bobbibrown.jp

 

KANEBO / ポップタップジェリー EX1 Twinkle Pink

こっちはコンサートとか気合い入れていきたい時に使うギラギラアイシャドウ。とにかく目立つ!偏光ラメの中にシルバーが入っているのがお気に入り。イエベ秋なので普段はゴールド選びがちだけど、このシルバーは浮かないし、むしろ良い感じに主張してくれてかわいい。ぷにぷにで肌に密着するので絶対にヨレない。ただ裏を返すとつけすぎたときに修正が効かないので、使うときは少しずつ慎重にポンポンしながらつけています。あとジェリー状なので、万が一蓋を開けっぱなしにすると終わるっていう緊張感と常に隣合わせ。でもトータルですごくかわいくて限定なのが惜しい…
ポップタップジェリーとリュクスアイシャドウの組み合わせが最強にかわいくて、えび座はこれでいきました。

www.cosme.net

 

 

ロート / メラノCC 美容液・化粧水・乳液

ここ数年いろんなスキンケアを試しているんだけど、メラノCCに落ち着きました。私の肌はニキビや吹き出物は少ないけど、脂性肌で毛穴が目立つ。メラノCCの化粧水はとろみのあるテクスチャーだけどさっぱりした使い心地で好き。そして美容液を鼻に塗るようになってから、毛穴が目立ちにくくなった気がしてる。そして高校までがっつり外での部活をやっていたので紫外線ダメージを受けまくり、将来絶対にシミができる肌なのだけど、メラノCCを使い続けていたら「肌白いね」と言われることが増えた。(中高生時代の私が聞いたら信じられないと思う)ドラッグストアで手に入るのに効果絶大で、コスパ抜群。変える理由がないので当分これにお世話になりそう。

jp.rohto.com

 

 

番外編 美容院を変えた!

あと今年は美容院を変えたのが大きな変化。2ヶ月に1回、髪質に合わせたトリートメントとヘッドスパをしてもらうことで髪質が変わった。髪なんてどうせ伸びるし…とわりと適当にケアしていたのだけど、やっぱりお金と時間をかけると結果が出る。今通っているところはカットの技術も高いし、髪質に合わせたシャンプー&トリートメントだし、ヘッドスパも気持ちよくて大好き。あとは無駄に喋りかけてこないところもいいところ。笑 この美容院に変えてからヘアケアに対するモチベーションも上がって、いい変化でした。

 

 

今年は給料も時間も心の余裕も増えて、いろいろ試すことができたのが大きな収穫でした◎


 

 

 

 

2022年のお気に入り 〜暮らし編〜

2022年もあとわずか! ということで、今年買って良かったものを忘備録がてら紹介します。今回は暮らし編。

 

 

iPadmini6 64G ピンクゴールド

日記や本といった紙媒体を減らす目的で購入。片手で持てて、持ち運んでも苦にならない重さのminiを選択。今年最大の出費と言っても過言ではないiPadmini6だけど、買ってよかった〜!!
まず圧倒的にインプットが増えた。スマホより画面が大きいから、新聞も本も読みやすい。購入して直後Kindle unlimitedが2ヶ月99円のキャンペーンを開催していて思わず入ったんだけど、雑誌から漫画、書籍までたくさん読めて大満足。情報を手に入れるハードルが格段に下がった。小さいから旅先に持っていって、その場で雑誌検索してお店探したりもできて、QOL爆上がり。あとはノートアプリとApple pencilで日記書いたり、考えを整理したりしてアウトプットもバッチリ。スマホもPCもあるし、タブレットっていらないんじゃないかと思っていたけど、いざ買ってみるとスマホとPCの中間の需要がけっこうあるって気づいた。

あとピンクゴールドが上品な色味でとってもかわいい。MacBookとお揃いの色なのもテンション上がる。すでに生活に欠かせない相棒。そして今年のお気に入り堂々の第1位。

 

▲アマゾンではピンクゴールド無いみたい…

 

 

アンカー モバイルバッテリー

ブラックフライデーの戦利品。スマホを約4.5回充電できる超大容量モバイルバッテリー。これ一つあるだけで、安心感がある。
というのも、今年大雨の影響で住んでいる地域が半日ほど停電したことがあって。その時どんどん無くなっていくスマホの充電を見て、「私この充電が無くなったら終わるな…」ととっても焦った経験をしたのです。幸い、会社に非常電源があってそれを使わせてもらったり、充電がなくなる前に電気が復旧したから良かったものの、災害時の充電の備え考えなきゃ、と真剣に思って、安くなるタイミングで購入。あとはアイドル現場に遠征するときも必須。最近はデジチケが多いし、誰かと連絡とったり、Twitterでレポ眺めてたりしたらあっというまに充電がつきちゃうので、持ってて間違いないと思う。そんなに重くないので持ち運びが億劫にならないのもポイント。

 

 

トラベリスト トップオープンキャリーケース

こちらもブラックフライデーの戦利品。キャリーケースは大きめのものしか持っていなかったんだけど、最近1泊の出張や遠征が増えてきたので、小さいのも欲しくなって購入。気に入ってるポイントは上の部分が開くところ!わざわざ本体を開けなくても、上のポケットから中にいろいろ収納できてとっても便利。手持ちのバッグに入れるにはちょっと大きい折り畳み傘とか双眼鏡とか手帳とか、いろんなものをこのポケットに入れられるので肩への負担が少ない。これ考えた人天才!! 今後トップオープン式のキャリーケースしか使えないな…ってくらい、便利さにハマってる。来年はこの子をもっと活躍させたいなあ。遠征も出張もたくさん行きたい。

 

いろは出版 SUNNY手帳 ウィークリー

今年の仕事手帳。todo整理とちょっとしたメモができて、持ち運びやすい手帳を吟味した結果SUNNY手帳にたどり着いた!中身がいろいろなレイアウトになっていて、自分の好きなように選べるんだけど、私はウィークリーがお気に入り。

1週間を見開きで確認できるのと、日ごとに区切られていてtodo整理しやすいところがとっても好き。こういう手帳って1日の縦軸に時間が入っていることも多いけど、そうでなくシンプルな作りなのが嬉しい。下段のメモスペースもちょっとした会話のメモとか、次週にまたがりそうなtodoとかを書きこめて結構使ってる。紙質も薄めなんだけど、フリクションでガンガン書いてもへこたれ無い。全てにおいて使いやすくて、気に入ってます。2023年分も購入済み。当分はこの手帳を使うだろうな〜

紙媒体はできるだけ減らそうとは思いつつ、仕事をする上では紙で書いて残しておくって大切だし、結局仕事が一番捗るなあと実感する。2023年もこの子がクタクタになるまで使ってあげたい。

 

 

マザーハウス フルオープンミニボストン アイボリーホワイト

 

大好きなマザーハウス!今年お迎えしたのが、このミニボストン。私は心配性で、普段持ち物がそこそこ多い人間なので、バッグを買うときは容量が大きいことが第一条件。このミニボストンはとにかくなんでも入る!500mlのペットボトル、財布、スマホ、日傘、化粧ポーチ、キーケースなどなどを入れてもちゃんと閉まる優秀さ◎ そしてコロンとした形が他にあんまりなくてお気に入り。アイボリーホワイトは季節と服装問わずマッチするので、とにかくヘビロテしてました。革小物は経年劣化も楽しみ。この子もたくさん使っていい味出していきたいな〜

 

shop.motherhouse.co.jp

 

 

ここ数年、暮らしで使うものは結構最適化されてきて挑戦よりも安定をとることが多いかも。そして買うまでに割と吟味することを覚えたので、大きな失敗も減ってきた。今年はいい買い物できたな〜!
次はビューティー編やります!

僕らは希望探す旅人さ / ABC座ジャニーズ伝説 at Imperial Theater 2022

ABC座ジャニーズ伝説 at Imperial Theater 2022、観劇しました。

 

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年末の有楽町〜日比谷はイルミネーションが輝いていて、劇場に行く道すがらも楽しいって気づかせてくれた12月帝劇でのえび座。

全体の感想

去年が過去最高傑作だと思っていたのに、その上を超えてきた。どこまで最高を更新し続けるんだ、えび座は。去年よりもミュージカル感が増してて見応え抜群。ウエストサイド物語がかなり長尺になっていて、新鮮でした。ジュニアもA.B.C-Zも踊りと歌を堪能できて、良い改変。一人一人の見せ場もあり、群舞もあり、ジャニーズらしい演出だと感じました。


一幕で好きなナンバーは君の瞳に恋してる。アメリカ生活の期待と嬉しさが伝わる。昔えびきす主演の少年たちでブロードウェイメドレーをやっていたなあ、なんて記憶が蘇った。アメリカでの幸福感と、日本に帰ってきてからの悲壮感の対比が好き。

ジャニーさんの人柄がよりリアルになっていたのも良かった。「人の子を預かって、当時では考えられないアメリカ留学までさせて、そこまでさせたんだからジャニーズを成功させなくちちゃ」という優しさと葛藤が見えて、新しい解釈を得た気分。A.B.C-Zやアツヒロさんからみたジャニーさんは、慈愛に満ち溢れた人だったんだろうな。いろんな噂もあるし、これまでジャニーさんを恨んだこともあるけれど笑、人間らしいところもあったんだなあとしみじみ。大好きだった子たちが、自分をこんなに吠えてくれる作品を帝国劇場でやってくれるなんてさぞ嬉しかろう、ジャニーさん。

 

郁人くんが千秋楽で「ファンのみなさんを安心させたかった」と話した。最近いろいろあって、ファンも思い悩んでいることが伝わっているんだと思ったし、そうして口にしてくれるところを信頼している。確かに不安になることもあるし、ジャニーズの文化が失われつつあることを残念に思うこともある。だけど、A.B.C-Zはジャニーズらしさを継承していく心意気があるんだと実感した。それが嬉しかったなあ。

ジャニーズ伝説を観劇するたびに、「ちゃんとしたエンターテイメントって何?」と考えてしまう。ちゃんとダンスや歌を見て欲しいのに、それ以外でキャーキャー言ってないか、タレントの意を無視して応援という名のエゴを押し付けてはいないか、そんなことがもやもや頭を巡る。正直何が正解かわからないし、ファンは一消費者として出されたものを応援するしかないのだけど。でも今のところA.B.C-Zのやること、郁人くんのやることに違和感を感じることもないし、ファンの応援が重荷になっているような様子もない、と思う。だからこのまま応援し続けたい、なんて真面目に考えるのでした。A.B.C-Zの出してきた答えに、これからも全力で応えていきたい。

 

そしてゴタゴタがあった今年だからこそ、ジャニーズ伝説という作品の懐の深さが好きになる。辞めた人も、今頑張っている人も、これから芽が出る人も、みんなが歴史の一部だと肯定してくれるような気がする。セットの歴代のCDジャケットだって、解散したグループも辞めた人もいるのに、そんなの気にせず帝劇に堂々と飾ってるのがいいなあって改めて思いました。

 

ジャニーズメドレー

今年も最高ジャニーズメドレー!
リアデラ、映像では何回も見てるけど生で見るのは初めて感動した。ジャニーズらしい群舞とギラギラ感。そしてジャニ伝帝劇で観る夢ハリに涙。17年のえび座、5人で夢ハリを披露した日を思うと感慨深い。ジャニ伝育ちの後輩が、こうして名前を刻んでいく未来楽しいな。
5人のソロもそれぞれに合っててよかった。恋のABOの郁人くんは声がバカデカくて最高だし、とっつーのロマンチックタイムは世界観が素敵だし、塚ちゃんのサンダーバードはあまりに陽の輝きすぎて笑顔になってしまうし、はしちゃんのAmazing Loveは多幸感に溢れててかわいいし、五関くんのBANGER NIGHTは殺傷能力が高すぎた。
Zokkon命大好きなので5人バージョンでしかも長めにやってくれたのが嬉しかったし、キスマイのFIRE BEATの選曲が意外で高まった!
かっこいい曲と背中を押してくれる曲のバランスが絶妙で、ひたすら楽しい良い選曲でした!

 

光GENJIメドレー

アツヒロさんジュニアに混ざっても違和感ないほど動けててすごい。微笑みをあずけてが、日々疲れたOLの心にぶっ刺さりました。泣いたっていいんだよ、って包み込んでくれるあったかさがありがたい。
今回は劇中に光GENJI伝説が随所に挟まるのも楽しかったな。世代じゃないので光GENHIがどれだけすごかったのかはわからないんだけど、社会現象を巻き起こしたことが伝わってきた。

 

Let's sing a song


レッシン、久しぶりに聞いたけど帝劇に映える最高のミュージカルナンバーでグッときた!巨大装置とも合って、サーカスを見てる気分。「僕らは希望探す旅人さ」ってA.B.C-Zを体現した歌詞だなあと思いました。A.B.C-Zは前向きに希望を追い求める。それにいつまでも着いていきたい。

 

 

 

最後に


観劇納めにふさわしい多幸感のある作品でした。期待を裏切らない良作。新作を見たい気持ちもあるけれど、毎年この多幸感が約束されてるのも捨てがたいなあ、と贅沢なことを考えたのでした。A.B.C-Zがジャニーズ伝説を上演し続ける限り、何度でも通いたい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あいつが上手で下手が僕で Season2

あいつが上手で下手が僕で Season2、観劇しました。

 

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Season1はドラマ、舞台(配信)どちらも見ていました。ストーリーの面白さも去ることながら、確かな演技力を持つ俳優と遺憾無く発揮されるアドリブ力がただただ面白くて大好きな作品。「Season2やるんだ〜楽しみだな〜」なんて思っていたら、まさかの推しの染谷さん参戦!しかも相方が私と同郷のわだっくまさん!他にも一回見てみたい俳優さんたくさんいる!という私の需要全部盛りだったので、これは行くしかないとチケットを取りました。

 

シンプルにとっても楽しかった!ゲラゲラお腹抱えて笑える作品で、終演後は笑い疲れしてしまうほど。2時間半幕間無しの長丁場だったけど、テンポがいいのでそんなに長く感じなかった。アドリブも多くて通いたくなる。観劇した日はW杯で日本がドイツに勝利した次の日。マチネはアドリブがW杯関連だらけでした。キャッチアップの速さにびっくり。

一つ気になったのは、暗転の多さ。お芝居のテンポが良いからこそ、暗転で少し待つ時間があるとふと正気に戻ってしまう時があった。しかも暗転後で大幅にセットが変わらないから、そこに時間をかける理由があるのかな、と。映像を多く使っているから、その関係もあるのかもしれないけど、もったいないなあと思った点でした。

 

ラストワルツ

私の推しコンビ!グッズが即完すぎて笑いました。増産希望。いや〜、面白かったです。ストーリー上でも実際にも、芸歴長めのベテラン勢の2人。舞台上にいると安心感がある。と思いきやはちゃめちゃにふざけたりしてて、終始目が話せなかった。
なにのにショータイムになると途端に不安げで可愛くて…笑 一生懸命さは伝わりました。舞台にショータイムがなかった世代。

染谷さんを好きになって2年くらい?やっと初めましてできました。とにかく目が大きい。熱血漢は意外な役どころ。にわかファンだけど、普段はミステリアスな、腹に一物抱えてる役が多いように思うので、ストレートな役が新鮮。ハイテンションというか、勢いのあるセリフが多くて、喉が心配でした。(千秋楽のカーテンコールで燃え尽きてたのが印象的。)好きだったのは、洞窟で岬に思いを伝えるシーン。セリフだけみたらシリアスなのに、なぜか岬の服を脱がそうとする発想が面白過ぎました。笑えるのに、場のバランスを崩さない演技力に感服。

わだっくまさんは、とにかくハンサム!横顔の造形美に惚れ惚れ。良いヤツそうなのに、嫉妬にまみれてる様子が心の揺れ動きが好きでした。独白のシーンの後は、つきものが取れて晴れやかで明るい顔つきになる演技が印象的。

 

エクソダス

圧倒的センター力。2.5界隈を背負って立つ2人のオーラに圧倒された。普段から仲がいいからこそのテンポ感やアドリブが楽しかった。漫才はエクソダスが一番好き。特に究極の選択は、時浦のめんどくさい部分と、島の大雑把な部分が出てて、キャラに合ってる。そういえば、島がツッコミだったんだなと気付かされた。

荒牧さんの主人公力はすごい。真ん中に立つのがよく似合う。なんでも平均点が高い人だなあ。しっかりしているように見えて、カーテンコールとかふとした時に見せる天然さとか隙がかわいい。

和田雅成くん、かっこいい〜!めちゃめちゃかっこよかったです。ジャイアンみたいな服着てるのに、それを感じさせないオーラ。ナチュラル関西弁が心地いい。アドリブ全部拾って、ツッコんで、とにかく忙しい。けど楽しそう。和田くんがいないと、このシリーズ成り立たないなあと実感しました。ショータイム中の魅せ方もうまいなあ。自信がある表情とか、ついていきたくなる男っぽさが素敵。

 

ののくらげ

一番泣かされたコンビ。ところどころ昔馴染みのような描写があって、最後に「中学のころ見せてくれたネタが、TVよりも面白かった。このエピソード最強だろ!」って答え合わせがあるに痺れた。ここドラマで掘り下げてほしいなあ。
ショータイム、キャラソンの前奏で自己紹介しながらキレキレに踊ってて、この2人仕事できる!!と思いました。

溝口くん、逸材ですね!失礼ながら観劇前は存じ上げなかったのですが、すごく好きになりました。地味に見せながらクレバーなお芝居が印象的。過去作品もっと見てみたい。
大平くんは明るさと鬱さのギャップが好きでした。ライブの盛り上げ方が刀ミュ仕込み。

 

あんでる

かわいいね〜〜。他のコンビがギクシャクする中、この2人は大きな確執もなく、仲が良くて癒しの存在。ネットでバズったって設定の通り、勢いがあった。アドリブも頑張ってて微笑ましい。あと、ショータイムの完成度がナンバー1。ここだけアイドル現場。
中尾くん、ツンからのデレの演技が良かったです。漫才中、W杯関連の木津くんツイッターネタをしこんできて、してやったりしてる顔がかわいかった。
木津くん同い年なんですよね〜。なんか同い年ってだけで、親しみを感じてしまう。バンバンのこと、信頼してるのが伝わるいいキャラ。未明のこと嫌いになる要素がなくて、素敵な役もらったなあと思いました。

 

そして高木俊さんとウーロン太さん! 出演発表されたときから、これは面白くなるぞと思っていたけれど、期待を大きく超えて面白かった!だれよりも頑張ってボケてる。場にいるだけで何かを期待してしまう存在。

 

 

「思わぬ方向で売れるのは良いことか」というテーマ、面白かった。いろいろプライドとか葛藤とかあるけど、目の前にあることを大切にしなきゃ次には広がらないなあ、って私も最近思ったりしてたので、深く刺さりました。あと、芸人も俳優もチャンスと結果が全ての世界なんだと思う。厳しい世界でがむしゃらに頑張る力をもらえるいい作品でした。大阪も楽しみ!

 

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